Libra ~揺れる乙女心~


「どうしたんだよ!隆介!学校一人気のあるお前が何言ってんだよ!」



俺は隆介の肩を強く叩いた。



力なく笑った隆介は、言った。



「怖いんだよ、俺は…。信じるってことができねぇんだ」




立ち上がった隆介は、

持っていたボールを思い切り、自分のグローブの中へ投げ込んだ。




その音が静かな夜の校庭に響いて、なぜだか俺は泣きそうになった。





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