天然なあたしは悪MANに恋をする
拾った恋の結末
朝、朝食をおばさんと食べていると、ドタドタと二階からレンが降りてきた

大きな欠伸をしながら、栗色の髪をガシガシと掻いて椅子に座る

「昨日は、随分と遅いお帰りでしたのねえ」

おばさんが嫌みっぽく口を開いた

「俺のせいじゃねえ」

「へえ~、じゃあ誰のせいかしら」

「マ…ちがっ、店長のせいだろ。顔に傷があってもウケるとか言いやがった」

「ふうん。興味ないけど」

おばさんがぼそっと呟く

「はあ? 聞いといて、興味ねえとはなんだよ」

「だって、私が聞かなくちゃ…ミズちゃんじゃ、聞かないでしょ? レンの午前様を」

レンがちらっとあたしの横顔を見た

「俺のせいじゃねえ」

レンが小声で、言い訳のように口を開いた

「あー、ヤダヤダ。他人のせいにするヤツって嫌い」

おばさんが食器を片づけながら、席を立った

「うるせえなあ。仕方ねえだろ」

レンがむすっとした顔をするとテーブルに肘をついた

「…てか、俺の朝食は?」

「ないわよ」

おばさんがあっさりと答えた

「え?」

あたしは驚いて目を丸くした

ないって?

「なんで無いんだよ」

「恋人を放って、深夜まで外をほっつき歩く男には、ご飯なんて物はないのよ」

おばさんはくるっと背を向けると、キッチンにスタスタと行ってしまった

「…んだよ、それ」

レンが不満そうに頬を膨らませた
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