踏切の向こう側
*1*
今僕は夢を見ている。
夢だと分かっても、目を覚まそうとは思わない。
それは、その夢で僕は再びあの踏切の前にいたからだった。
夢の中で“彼”が何を言おうとしたのか、“彼”は誰なのか。
すべて、知りたい。
そんな想いで自ら望んで夢を見続けた。
やはり、前には“彼”がいた。
彼も僕を見つけたらしい。
弱々しい顔で微笑んだ。
『また、会ったね。』
どうやら僕のことを覚えているらしい。
「そうだね。ところで一体、君は?」
僕も会釈と共に軽い挨拶をして、手っ取り早くこの前聞き逃したことを質問した。
『僕は、翼。本郷翼。君は?』
「僕は、笹塚マサキ。」
夢の中で声を発している僕は、現実の自分とは違うものだった。
普通の子供のように挨拶をして、普通に喋っている。
今日はまだ夢が終了しない。
自ら見続けたいと思っているからか。
改めて“翼”を見る。
夢という曖昧な感覚の中で、翼の形象は妙にはっきりしていた。
夢だと分かっても、目を覚まそうとは思わない。
それは、その夢で僕は再びあの踏切の前にいたからだった。
夢の中で“彼”が何を言おうとしたのか、“彼”は誰なのか。
すべて、知りたい。
そんな想いで自ら望んで夢を見続けた。
やはり、前には“彼”がいた。
彼も僕を見つけたらしい。
弱々しい顔で微笑んだ。
『また、会ったね。』
どうやら僕のことを覚えているらしい。
「そうだね。ところで一体、君は?」
僕も会釈と共に軽い挨拶をして、手っ取り早くこの前聞き逃したことを質問した。
『僕は、翼。本郷翼。君は?』
「僕は、笹塚マサキ。」
夢の中で声を発している僕は、現実の自分とは違うものだった。
普通の子供のように挨拶をして、普通に喋っている。
今日はまだ夢が終了しない。
自ら見続けたいと思っているからか。
改めて“翼”を見る。
夢という曖昧な感覚の中で、翼の形象は妙にはっきりしていた。