約束
 本当は一人で頑張ってというのが理想的なんだって分かっていた。だが、今の私の成績を冷静に考えると、そういうレベルでもなかった。勉強をやろうにも分からないことが多すぎてすぐに詰まってしまう。

「いいよ。俺に分かることならいつでも教える」

 彼は私の言葉に笑顔で答えていた。

 私が彼を好きになったのは最近だけど、目で追うようになった最初のきっかけはやっぱり彼がかっこよかったからだ。それは彼を好きな人の多くがそうだと思う。

 だが、彼は中身まで備わった人だった。外見が良ければ中身を知って幻滅する場合もあると思う。でも、彼に関してはそんなことはなかった。

 私に限っては彼を知れば知るほど彼のことが好きになっていた。一緒にいるだけで新しい世界に足を踏み入れ、前を見ることが出来る。そんな気がしていた。
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