約束
 リビングに入ると、母親が声をかける。

「木原君にお客様が来ているみたいだから、お茶を運んでくれる?」

 彼女は満面の笑みを浮かべている。

 恐らく矢島さんのことだ。

 木原君が彼を連れてきたのは意外だった。

「いいよ。先に鞄を置いてくる」

 私は母親にそう告げると、部屋に戻り、鞄を置く。

制服のまま戻ろうとしたが、ついでなのでワンピースにそでを通す。

手を洗うとリビングに戻ってきた。そのときには既に花がプリントされたティーポットが準備されていた。

 私はそれを持って、木原君の部屋に行くことにした。
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