約束
第二十章 崩れていく関係
 三年になった。私が彼と暮らすようになり一年が経過しようとしていた。

 クラス替えで木原君と晴実と百合は同じクラスで、私は野木君と同じクラスだった。

 一馬さんは今年の四月から一人暮らしをはじめたらしい。でも、まだ木原君と一緒に暮らす話は私の耳には届かなかった。

 木原君との会話は一時に比べると、ずいぶん減った。私がどことなく避けてしまっていたのだ。それでも話しかけると、笑顔で応えてくれる。

好きなのに、話したいのに話したくない。矛盾した心を持つ自身が嫌になる。同時に付き合っているって何だろうと考える機会も増えた。
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