おかんの大冒険

おかんとファミコン

 おかんとゲームの出会いは、案外遅い。

 小学校高学年のときに、夢のゲーム機ファミコンが発売になった。
 うちの親は買ってくれなかった。
 でもどうしてもやりたかった。
 小学生から積み上げてきた思いは高校生で実った。
 高校の時家の手伝いで稼いだアルバイト代でファミコンを買った。
 今みたいに簡単にテレビにつなげられなくて、テレビの裏のコードを外して、銅線をくっつける。
 そんな配線だった。
 ひとりドキドキした。
 そこからおかんの素敵なゲームライフが始まった。

 おかんの家の隣の隣が中古ゲーム屋だった。
 まず何のソフトを買ったかは覚えてないけど、RPGを買った。
 RPG。シミュレーション系にはまった。
 MOTHER MADARA FF DQシリーズ。
 このあたりはほとんどこなした。
 そして友人から借りたソフト。
 メガテン。
 女神転生と運命的な出会いをする。
 ナニコレ。
 すごいんだけど!!!!
 当時中2病だったおかんの心を鷲掴み。
 悪魔スゲー。
 中2病更に進行するが、本人はまだ気がついていない。

 だがおかんはアクションやシューティング、格闘技系はほぼやらなかった。
 おかげでそのスキルは今も低い。
 偶に公開するのは、もう少し格ゲー極めとけばよかった。
 マリオうまかったらよかった。
 そしたら子どもに自慢できたのに。
 今はそう思う。

 ファミコンソフトでメガテン以外で夢中になってやったのは、ドラクエとFF。
 ドラクエは何度呪文を間違えて泣かされたことか。
 しかもそれは大抵、かなりレベル上げしたときに限って起こる。
 当時のあるある。
 そしてFFの音楽やグラフィックにクラクラした。
 高校生なのに。
 女子なのに。
 超夢中。
 同人誌書くのはやめても、ゲームはやめなかった。

 そしてあんなにも苦労して手に入れたファミコンだが、その数ヵ月後、おとんが妹にスーパーファミコン買っていた。
 今まであんなに、ゲームはだめって言ってたのに!
 買ってしまったらもういいんか。
 って正直思った。
 だが、スーファミが手に入ったことは嬉しかった。
 

 そしておかんのスーファミのゲームライフも始まった。
 
 
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