エンターテイナーズ



「すいません、話がつかめないんですけど…」


みんなの気持ちを代弁したのは江上さんだった。


「ん〜…説明しろって言われても難しいんだけど…」


「社長、私が話しますよ」


頭を抱える岬さんに代わって答えたのは松永さんだ。


「あのね、足元ってのはさり気なく出来る『自己主張』なんだよ」


「自己主張…?」


「例えば、ね。
珠季ちゃんが真っ白なワンピースを着ているとき。
そこにスニーカーを合わせるか、ヒールを合わせるか、はたまた裸足か。
色はパステルか、ビビッドか、とか柄はどうするか、とか。
少し変えるだけで、全く印象が変わるものなんだよ」


確かに。
衣装は同じでも、足元が違えばスタイルも変わってくる。


「さっき、社長は『謎が欲しい』と。言いましたね?」


「あぁ。言った」


「珠季ちゃんの場合、メンズライクな格好なのに足元を女性らしい細身のヒールにするだけで
『性別が分からない謎』
を作ることができるんだよ」


松永さんの説明に、みんながオオーッと感心の声を漏らした。


「まぁ、だいたいそんなとこかな」


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