エンターテイナーズ
「ねぇ、『汐珠季』ってそんなにすごい子なの?」
新曲のレコーディングに向かう途中、
車の中で純が聞いた。
純はHANDS.のキーボード担当だ。
身長は俺と同じくらい(めっっちゃ不本意やけど)小さくて、何だかクリクリしとって可愛い。
そのくせ、毒舌やからなぁ〜…
「……すごいよ。
あの子は、すごい」
純の問いかけに答えたのは伶緒だった。
伶緒がこうやって、他人のことを喋るのは珍しい。
珠季ちゃんのこと気に入ってたっぽかったしなぁ。
「伶緒がそうやって褒めるのも、その子がすごいって証拠だもんね」
微笑みながら言ったのは佑。
ギター担当で、いつも冷静沈着な奴。
「伶緒くん、気になっちゃってる感じ〜?」
ウラウラ、と伶緒の肩を揺らしてからかってるのがベース担当の眞史。
………全てがチャラい。
伶緒はウザそうな顔をしたまま、ゆさゆさと揺れていた。
―…でも、冗談抜きで。
珍しいことなんだよなぁ。