Dice
カラオケを勝司はたっぷり楽しみ、まるで尻尾を振る子犬の様に満足している。

「あおいちゃんおうちくる?こない?」

手を握りながら私の顔を覗きこんだ。


「おいおい、俺どうすんだよー」

章吾が勝司を羽交い締めにしながら言う。

私はクスクス笑いながら2人の後ろを歩いた。


柔らかい髪を揺らしながら勝司は振り向き

「じゃあ今日は解散だ」


私は頷き、じゃあ私帰るねまたメールちょうだいと勝司に伝えた。

嬉しそうに笑いバイバイと言った。

「おう、またな!」


章吾は手を振って私たちは別れた。


駅前の道を歩きながらコンビニで飲み物を買おうとドリンクコーナーを歩いて、冷蔵庫の扉を開けた。冷気が顔に当たり手を伸ばした。


その時誰かに腕を掴まれ私は振り向いた。


「俺が買うよ」


章吾だ。


痛いくらいに掴まれた腕を私は見つめた。


彼はドリンクを2本取るとレジへ向かった。
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