嘘日記〜私の日常〜
おばさんへの礼もそこそこに。
いたたまれ無くなった私は、コソコソと車両を移動する。

2つ3つばかり車両を移動した所で、出入り口のそばに陣取る。

ふと外を見ると、全く知らない風景。

オレンジの、大きなカボチャの転がる畑に、煙突付きの赤い屋根の家が数件。

見慣れた灰色のアスファルトと、背の高いビルは見えない。

テレビでも、見た事の無いような配色の景色。

(に、日本じゃないよ…)

今どこに居るとしても、電車が止まらない事には降りられない。

と。

突然電車が止まり、私の立っていた側のドアが開いた。

私はそのまま、先を見ずに飛び出した。

飛び出した先は、何故か妹の足元。


そして。

待ち合わせ時間には、何とか間に合っていたが。

妹に突然変な所から出て来ないようにと、こっ酷く怒られた。

嘘だけど。
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