【続】ギャップ的恋愛論





「ふーん…、クリスマス・イベントねぇ……」






あたしから話を聞き終えた朋歌が、まだ寝ている怜二の背中を目を細めて見つめている。






「ねぇ、どうしたらいいと思う?」



「は?何が?」






その横顔に泣きつくと、朋歌はわけがわからないって顔でこっちを見た。






「だってホストなんて、一番して欲しくないのに」



「でも一番似合ってるじゃない?神木に」



「だから嫌なんだよ。そのまま凌ちゃんにズルズルとその世界に引き込まれそうで」






あたしが一番恐れているのはそれだ。






あの凌ちゃんのことだもん。
ここぞとばかりに上手いこと言って、怜二にホストになることを了承させそうで怖い。






「あはは…、あの人なら有り得るかもね。“俺の後を継げるのはお前しかいないんだ、怜二”とかって」



「もう、笑いごとじゃないってば。
あたしは必死なの!
やっと怜二が店を辞めるって言ってくれた矢先にだよ?
これはもう陰謀としか思えないよ」



「それならそれで乗ってやればいいじゃない」



「なんで!?」






なんでそんなこと言うの!?





ズル賢い朋歌のことだから、きっと何か考えがあるんだろうと食い入るように見つめていると、






「そんなの面白そうだからに決まってるじゃーん!」





ゲラゲラ笑いながら期待外れな言葉を返されて、やっぱり朋歌は朋歌だと認識させられたあたしは、その場でうなだれた。






とほほ……、相談なんてするんじゃなかった……







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