サプライズ・キス
さゆに話があるからさゆも呼んだの!?
てか、さゆが可哀想じゃん!!!
「黒田」
「は、はいっ!」
「サヨウナラ」
ひゅーる。
あたしは帰らざるを得ないみたいだ。
「さようならッ」
さゆに目線でテレパシーを送る。
“ごめんね!!”
さゆはにっこりあたしに帰してくれた。
ガラガラと扉を開け、さっさとあたしは帰る。
加藤先生はあたし、苦手なタイプ。
あたしは紺のソックスを念入りにあげて、ダッシュした。
『廊下は走らないっ!!!』
お決まりのセリフを言う生活指導のオバチャン先生。
あたしはフルシカトで走る。