後向きの向日葵
彩子の本心
何故、私は、この話をしたのだろう。
どうしてこの話をする相手に、西崎彩子を選んだのだろう・・・。
尾木君との話を聴いた彩子は、お腹を震わせて笑い込んでいた。
私の知る限り、飲み会等で会う彩子はどこか、自分を閉ざして笑う人だった。
しかし、今は違う。
やがて、かろうじて話し始めた。
「ちが・・違うの。あの、私、何ていうか・・。」
そして、真顔でこう言ったのだ。
「ソラさんには負けました!」

その上、彼女はこう続けた。
「ソラさんって言う時は、言うんだねぇ。」
「あの、悪く思わないでね。私、ソラさんは言わない方の人かと思っていたものだから・・・。」
「すごく、意外だったというか・・・。」
「でも、よく言ったーって感じで!」
発言をうまいことまとめられず、どことなく、彩子は困っている様子だった。
だけど、とにかく、ご飯を美味しく食べられた時に、つい見せてしまう表情をしていた。
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