三月の告白
履きなれた靴を履いて、持ちなれた鞄を肩にかける。
家の玄関を出たら、陽射しが暖かくて。
いつもならきっと恥ずかしくなって赤面しちゃうようなことを、急に自然体でしたくなった。
おもいっきり空に両手を延ばしてみる。
まっすぐ空を見つめてみる。
眩しくて、反らしてしまいそうになったけど。
まっすぐ見つめることができた気がする。
あたしの瞳が、あの人みたいに澄んでいることはないと知りながら。
なんだか『いつも』と違う自分が新鮮で、どこか寂しい。
あたしは、コンビニ目指して歩いた。