ひなたぼっこ~先生の、隣~




「先生…」


「ん?」



「せっかくの修学旅行なのに…ごめんなさい」


「何言ってんだよ…」


「…ごめんなさい」



「俺に謝る…」




肩に寄り掛かっている麻生に顔を向けると、手で顔を覆った麻生が…




「…ごめん、お母さん」





手の内側から、たくさんの涙が落ちる。






「…麻生」







静かな待合室に、麻生の泣き声だけが小さく響く。








< 254 / 421 >

この作品をシェア

pagetop