ひなたぼっこ~先生の、隣~





「私、妹尾さんに会いづらいから…高橋から謝っといてくれない?それに、多分引っ越しまで学校行かないから」





俯きながら話す麻生。








「…残念ながら、今生徒と接することを禁止されてるんだ」




「あ…」




「だから、お前から妹尾に伝えてやれ」


「でも…」




「大丈夫だよ。あいつは、わかってくれてる」


「…」



「それと、引っ越しまで学校に来ないとか寂しいこと言うなよ。みんな待ってる」



「…そんなことないよ」



「アホ。学年一、美人な麻生様がいなくなるなんて知ったら男子はショック受けるぞ」



「何それ」




小さく笑った麻生。








「俺のことは気にしなくていいから。最後まで楽しめ」











「…うん」






ゆっくり頷く。







「よし。じゃあ、早く家に戻って寝ろ。遅刻するなよ?」



「わかってるよ!」






手を振りながら家に向かって歩く。




その後ろ姿を、家に入るまで見届けてから車に乗り込む。







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