ひなたぼっこ~先生の、隣~


単純というか…



なんというか…






泰葉と香奈は放課後、準備室へ向かった。






「先生!」

香奈が勢いよく入ると、ソファーに寝転がっている先生がいた。


「うるせー…」

ボソッと言うと、ゆっくりと起き上がる。



「どう?校長に何か言われた?」

泰葉と香奈は、先生の真向かいのソファーに座る。


「あぁ…厳重注意だけな。後は…」

ジロリと香奈を睨む。





「お前が適当に流した噂で、"高橋先生って未練がましいタイプなんですね"って他の先生や生徒に笑われるぐらいだよ」



「それは、良かった!成功だね」
Vサインをしながら、香奈がニヤリと笑った。




「元は噂でしかないから、すぐに消えるかと思ったけどな」

はぁ…と、溜息をつきながら先生が言う。



「私も!…だけど」

香奈が横にいる泰葉を見て、ニヤリと笑った。






「泰葉ってば、先生のことになると心配性になるんだから」


ドキン




「なっ…」




顔が真っ赤になる泰葉。




「先生も、泰葉にあんまり心配かけないでよ!」





先生は、戸惑った顔をしたが…





「…気をつけます」





と、ふっと笑って言った。






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