王子様はカリスマホスト
吸血鬼のキス
夢が終わり、現実の朝が来る。

現実は悲しかったけれど、それと向き合えたことで、あたしは目の前の霧が晴れたような気がしてた。

ずっと受け入れることができなかった現実。

パパとママの死を受け入れることが怖くて、あたしは逃げてた―――。

でも。

あたしがずっと悲しんでいることを、パパやママが望むはずがない。

あたしを守ってくれるって、凛斗お兄ちゃんは言ってくれた。

そして、あたしのために涙を流してくれる叔父さんがいる。

あたしは、1人じゃないんだ。

そう思ったら、自然に笑うことができる気がした。

パパとママが安心できるように。

あたしも、守ってもらうだけじゃなくて自分の力で生きて行かなくちゃ。

とりあえずは。

アルバイト、がんばらなくちゃ!

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