【短編】 ききたいこと

Ⅱ-Ⅱ

 *

 先生の持っている携帯が私の携帯と同じ会社のだということは前々から知っていた。
 だから、番号だけでもメールが送れることも―――。
 
 その晩、私は教科書とノートを机に広げると、一緒に携帯を開いた。
 一つ深呼吸。
 いつもなら、両手打ちで数分とかからず送信ボタンを押せる私だけれど、今日はそうはいかなかった。
 誤字脱字なんて恥ずかしいミス出来ないし、軽い気持ちで送るわけにはいかなかったから。


[突然のメール、申し訳ありません。
一年三組の佐々倉(ささくら)ゆうです。
今日の授業のことでどうしても聞きたいことがあったのでメールしました]


 そこで止めて、いったん先生のメールを待とうかとも考えた。


 けれど、



 どうして俺の番号を知っているんだ?



 とだけ聞き返されたらそれ以上は先へ進めなくなる。
 おそらく、誰だってそう返すだろう。私だって「なんで知ってんの?」って返す、間違いなく。

 勉強の質問を続けるどころの話じゃない。

 だけど、それでは困るのだ。
 
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