氷の女王に口付けを

「ふ~ん。五輪までは恋愛禁止ってことでいいのかな?」


「そういうわけじゃないけど……そういうことで」


不本意だけど、そういうことにしておこう。


残りのハンバーグを口に運ぶ。


羽生さんの言葉が脳裏に残っていて、美味しいはずのハンバーグの味が分からなくなった―――






「―――ん、あれ?」


夢か。


一年前の出来事を夢に見るなんて珍しい。


ベッドの上で伸びをすると、ケータイの着メロが鳴った。


丁度良いタイミングだな~とか呑気に思いながら、ケータイの画面を覗いた。
< 58 / 214 >

この作品をシェア

pagetop