氷の女王に口付けを
「ふ~ん。五輪までは恋愛禁止ってことでいいのかな?」
「そういうわけじゃないけど……そういうことで」
不本意だけど、そういうことにしておこう。
残りのハンバーグを口に運ぶ。
羽生さんの言葉が脳裏に残っていて、美味しいはずのハンバーグの味が分からなくなった―――
「―――ん、あれ?」
夢か。
一年前の出来事を夢に見るなんて珍しい。
ベッドの上で伸びをすると、ケータイの着メロが鳴った。
丁度良いタイミングだな~とか呑気に思いながら、ケータイの画面を覗いた。