危険ナ香リ

泣顔ト笑顔







 魔の一週間……つまり、保健室掃除の期間がやっとのことで終了した。


 美波先輩に保健室に行こうと誘われても、断固拒否の態度をとり続けた。

 だから美波先輩とは空き教室で一緒にご飯を食べることになった。

 柚乃ちゃんも、初めは戸惑ってたけど、今じゃもう美波先輩と仲良しだった。




「今時の男子は女々しくてダメね。鑑賞用やオモチャにはなるけど、男としては見れないわ」

「鑑賞用ってとこ以外は理解できます。やっぱ男は逞しくなきゃいけないと思われます」




 今時の男の子の性格なんて、全然分かんないや。


 あたしが分かるのは、祐の性格ぐらいだよ。




 ……祐といえば。




 佐久間先生から頼まれていたものを祐に渡すついでに怪我について聞くと、“大丈夫だから”の一点張りだった。


 柚乃ちゃんによれば、部活中に足を痛めたそうだ。


 ……なんだか、柚乃ちゃんは知っているのにあたしは知らないという事実が悔しかった。




「細マッチョって最高だと思わない?」

「思います思います!あたし、マッチョよりも細マッチョの方が断然好きです」




 柚乃ちゃんは美波先輩と好みが合うらしい。


.
< 64 / 400 >

この作品をシェア

pagetop