snow flake〜罪な恋に落ちて〜

「姫璃、1人で抱えなくてもいいよ?…私、これでも姫より3年長く生きてるんだから。少しくらい頼ってみない?」

いたずらっ子のように、首を少し傾げ私の瞳の奥を覗きこむ。
次に頭の上で¨ポンポン¨と動く暖かい手。


伊織の整った顔がぼやける。


(泣いちゃだめ。泣いたら、全部だめになっちゃう。だめ…)



病室を出る前。

小さな誓いを立てた。

部屋を出たら、もう泣かないって。



堪えるように、服の裾をぎゅっと掴んだ。

のせられた伊織の手がゆっくり私の頭を撫でる。


「‥…大丈夫だよ。何が起きても、私は姫の味方でいるから。信じて?」
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