【完】冷徹仮面王子と姫。
 聞き慣れていないはずなのに、自然と入ってきた声。



「……前にも聞いた、わよね」



 あの、質問。



「恭一の、どこを好きになったか」


「―――はい」


「前は冗談めかして聞いたけど。今は、真剣に聞いてるの……。どうして、恭一を?」



 答えは、見つからなかった。



 あたしは氷室君の、どこを好きになったのだろうか。


 答えられないなんて、凄く情けない。



「…あ、無理に答えなくていいのよ?ほら、もうコンビニ」



 それ程の時間あたしは、黙っているだけだったのだろうか。



 店内ではまったく別の行動で、帰りもうやむやなまま一人で帰った。




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