【完】冷徹仮面王子と姫。
四章-冷徹仮面王子-

また、「王子」。

 あれから、いくつかの日が過ぎた。


 もう彼の「彼女」ではなくなってしまったあたし。


 改めて氷室君のことを、考えている。



 あーちゃんの言ってた「我慢」の意味。


 氷室君の不可解な行動。


 自分の気持ちだって。


 何一つ分かってはいないけれど。



 気づいたらいつも氷室君のほうを見ていたり、時折意識すら飛んでいて。


 混沌とした心内環境は、整理されることを知らない。


 そんな日々が非日常から日常に変わりつつあった今日――



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