アナタハシニマシタ2
第5話 シンジツノユクエ
十二月一日。



郵送で封筒が届いた。差出人は木村。この前送った情報の答えがこの茶封筒の中に入っている。


慎次は緊張した面持ちでハサミを使って中を確かめる。そこにはA4版の紙が四枚入っていた。



一枚は木村が書いた修宛の手紙のようだ。



『勇君へ。この度の協力感謝する。はっきり言って驚いた。まさかこんなに早く事件の全容が明らかになっているとは。あんな探偵事務所にいないでぜひ我が署の一員として迎え入れたい。歓迎するよ。――そんなことはどうでもいいか。中には三枚の紙が同封されていると思う。それらは全て岸野家が所有する別荘の現在地だ。ぜひ、この調子で事件を解決に導いてほしい』



そして修は一枚ずつ紙をテーブルの上に広げる。写真つきでかなりの豪邸が写っている。一枚に付き一棟の情報が事細かに記されている。まずは一番修に近い位置にあった紙を取って見ていく。



場所は、長野県軽井沢。ここは普通の夏に使う本当の別荘のようだ。木で造られたログハウスで二階建て。近くには湖があり釣りができる最高の立地だという。時間は新幹線を乗り継いで約一時間半で着く場所だ。



二件目は、宮城県仙台。これはマンション。二十階建てのマンションの一番上のフロアにある。かなり都心の方で飲食店が点在しているようだ。時間は二時間で着くようだ。宮城県は平均気温がかなり安定していて、夏はとても涼しい。東京以上に高層マンションが乱立していないので、夏は冷房要らずらしい。



最後も軽井沢。これは一件目よりも駅から近いようだ。




修の推理が合っていればこの三つの別荘のどれかに明日香がいるはずだ。
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