ラブハンター

【陽】



尚くんになぜかベースを教えてる俺…。



今更ベースなんかやり出して、プロになるとか言い出すんではなかろうか…。



いやいや、尚くんはそんなバカは言わないだろう。



「指が痛い…」

「尚くんってなに目指してるわけ?」

「…………ちょっとイカしたオジサン?」

「頭大丈夫かよ…」



バイトしすぎておかしくなった?



まぁ、何かに熱中する尚くんなんか見たことないからいいんだけど。



「陽はなんで弾けんの?」

「ガキの頃からピアノとかやってたし」

「は!?」

「弦楽器の方が得意だったけど」

「お前、何者?」

「僕のおうちはお金持ちナノダ~!!」

「ナノダって…」

「今の俺には関係ないのですぅ~」

「テンションおかしい…」



最近の俺、おかしいよな…。



ムリに笑ってる気がする。



自然に笑える時もあるけど、なんだか楽しいことでもしてないとダメになりそうで。



「ちなみに、毎月仕送りいくら?」

「家賃別で30万」

「マジですか…」



手切れ金の分割みたいなもん?



< 151 / 340 >

この作品をシェア

pagetop