ラブハンター
抱っこした千里くんは暖かかった。



子どもの温もりって、こういうもんなのか…。



「重いでしょ」

「軽いよ」

「尚道が抱っこしてる!!なんか…ウケる」



魚に夢中の千里くん。



周りから見たら親子に見えたりするんだろうか。



「尚道!!大きいのいた!!」

「いたなぁ~。食ったらうまそう」

「食ったらダメだよ」

「食わないよ」

「ママ、ぬいぐるみ!!サメがいい~」



今度はぬいぐるみに夢中…。



うわぁ…。



ぬいぐるみって意外と高い。



「カワイイね~って、1万っ!!小さいのなら買ってあげるから」

「一緒に寝たい!!」

「高いからダメ」



千里くんと同じくらいの大きさ。



それを手にした。



「買ってやるよ」

「ダメだよ。ワガママだから」

「だから、今日だけ特別。千里くん、ママにも貸してやってくれるなら買ってあげる」



勢いよく頷いた千里くんと、真っ赤な顔になった杏里。



サメを買った帰り道、大事そうに左脇にサメ抱え、右手で千里くんと初めて手を繋いだ。



またどっかに連れて行く約束をして。



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