ラブハンター
陽が帰るまでに、ベースを練習しとこう。



そう思って陽の部屋へ。



相変わらず汚い陽の部屋。



服は散乱してるし、雑誌も転がってる。



拾い上げた服を、洗濯機に入れた。



また部屋に戻ると、目に付いたのは進路調査のプリント。



意外とキレイな字を書く陽の希望進路。



第1希望『お花屋さん』



第2希望『魔法使い』



第3希望『ハリウッド俳優』



アホ…。



彼女の名前が花の名前だった気が…。



こんなこと書いて怒られないんだろうか。



こんな陽が財閥の跡取り…。



ムリだろ~…。



半笑いで部屋を出て、リビングに出た。



弾いてみる。



「尚さん、それ買ったんスよね?」

「買ったけど?」

「むだ遣いだぁ~」

「…………」

「うまくなる見込みないなら売っちゃえばいいのに」



悠大の毒舌は健在…。



憎めない笑顔…。



ケントにまでいろいろ言うからな、コイツ…。



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