ずっと大好き…この恋は秘密 …

待ち伏せ




授業終了のチャイムが校内に響く。



1日をどうやって過ごしたのか

友達とどんな話をしていたのか


あまり覚えていなかった。



会話の途中で何度も

『聞いてる?!』って言われて

その度愛想笑いした。







あたしの中に…

浅井さんはもういなくなっちゃったのに

学校も友達も何も変わらなくて…


あたしだけ取り残されてる気分…



今も


いるはずのない学校で

多分あたしの目は浅井さんを探してる。



先生のタバコの匂いに胸が締め付けられて…

背格好が似てる人を見つけてはその姿を追って浅井さんを重ねて…





もっと…


もっと平気な予定だったのに…



笑顔で『ありがとう』を言って


『よしっ!頑張ろう!』って

すっきりしてまた日常を始めるつもりだったのに…





日常にすら戻れてないあたしがいる。





あたしの気持ちが

あの公園から…


ジャージの紙袋から動かない。




ケータイのメールも保存したまま。



浅井さんの着歴が消えないように、浅井さん以外の着信を消してる。




あるはずのない電話を待って
朝、お風呂に入る。




あたしバカみたい…





バカみたい…






自分の行動が
全部浅井に繋がっている気がして…

みのりは下駄箱のフタを思い切り閉めた。



外では相変わらずまぶしい太陽がみのりを照らす。







この空は…

浅井さんに繋がっていない。







みのりは空っぽの頭に
そう言い聞かせた。






あたしと浅井さんは…



もう繋がらない…








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