ずっと大好き…この恋は秘密 …


赤い顔をしたみのりが目をそぉっと開けると…


まだ近い場所に浅井の顔があった。



「…浅井さん?」


みのりの頬に触れていた浅井の手に少し力が入る。


「…もっとドキドキさせてもいい?」


そう言い終わるところで…

もう一度唇が重なった。



「んっ…んん…」



心の準備も何も出来ていなかった深いキスに

みのりは戸惑いながらも浅井を受け入れるのに必死だった。







…少しして浅井がゆっくりと唇を離した。


真っ赤な顔をして
少し呼吸を乱しているみのりを見て…


浅井が笑みをこぼす。



「…ごめん。

怒った…?」



顔を覗き込む浅井を

みのりは困ったように上目遣いで見上げた。



「ダメって…言ったのに…」


片手で口を隠しながら言うみのりを見て浅井は優しく笑いかける。


「だって佐倉が可愛いからついしたくなちゃって…

いやだった?」



浅井の少し意地悪な言葉に

みのりは少し黙った後
首を横に振った。





その後

自分で戻ってきた悟が
唇ばかりを気にしているみのりを不思議がるのを

浅井は笑って見ていた。



「みのりちゃん?

口どうかしたの?

青ノリとか着いてないし大丈夫だよ?」


「悟君っ…

いいからちょっとほっといてっ」



何も言わずに笑って見ている浅井を

みのりが困ったような…
怒ったような顔で見つめる。



窓から入ってくる風が

みのりの冷めない体温を少しだけ下げてくれた。



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