ずっと大好き…この恋は秘密 …


エンジンもまだかけていない車の中で
ケータイのディスプレイだけが光っている。



TULL…TULL…



浅井が小さいため息とともにケータイを閉じた。





…珍しいな

佐倉が出ないなんて


試験の打ち上げとかでどっか飲みにでも…


…あいつまだ18だっけ(笑)




歳の事を考える度に感じてしまう
あまりの歳の差に浅井は苦笑いしてエンジンをかけた。


少し残業した浅井は
家に帰ってから電話すると少し時間が遅くなるため

教習所の駐車場から電話をかけていた。





…朝風呂止めたのかな。

寒くなってきたし低血圧じゃきついよな…



少し走ったところで道沿いの大きな本屋が目に入った。




…佐倉がバイトしたがってたのってもしかしてここか?



別にこれから用がある訳でもなかった浅井が
本屋の駐車場に車を止めた。




…どうせ佐倉から電話くるだろうし

運転してたら出られないしな…






店内に入り立ち読みするのに適当な本を探していた時

見覚えのある後ろ姿が目に映った。



南商業の制服にエプロン姿。

茶色がかった髪…



まさか…



でも見間違えねぇよな…






「佐…」


「佐倉、それあっち」


浅井の声が圭司の声に消された。






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