ずっと大好き…この恋は秘密 …

揺れる恋心




「みのり今日バイト?」


金曜日の帰り際、里奈がみのりを引き止めた。


「うん。

なんで?」


「駅前のドーナツ屋の半額券あるんだけどどうかなぁって思ってさ。

じゃあ明日は?」


「あ、行きたいっ

午後でもいい?」


笑顔で言うみのりに里奈が笑う。



「大丈夫だよ、

じゃあ明日は朝ご飯なしで(笑)」


「了解(笑)」



待ち合わせ場所と時間だけ決めてバイト先に向かう。



昨日の事が少し足を重くさせたが…

気にしてても仕方ないと、
できるだけ思うようにした。



多分、

『菜々子』の事は圭司の触れられたくない部分なんだろうと思い

圭司には知らないふりをしようと決めた。





店長は…

きっといつもと変わらない。


みのりを見つければ

きっといつも通りの明るい笑顔を向けてくるような気がした。







あたしが気にする事じゃないんだから…




圭司への同情はしないと決めた。




うっかり余計な事を言わないように

よく自分に言い聞かせてからお店に入る。



「みのりちゃんっ」


予想通りの明るい声に
みのりが笑顔で振り向いた。



「おはようございます。

昨日はすみませんでした」


「ううん、大丈夫。

今日は金曜日だし忙しいから頑張ろうねっ」


見ているだけで元気になりそうな店長の笑顔にみのりがうなづいた。



店長が店内に戻り
みのりが従業員室でエプロンをつけていた時


部屋のドアが開いた。






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