ずっと大好き…この恋は秘密 …
もう
会えない…
会えない。
静かに頬を伝う涙が冷たい。
自転車を庭に置いて部屋にあがる。
みのりの目に入ってくるのは…
いつか借りた浅井のジャージ。
黒に白と赤のラインが入ったジャージが涙でぼやける。
『なんで?』
問い詰める言葉よりも
頭に浮かぶのは『好き』という気持ちばかりだった。
一緒にいられたから気づかなかった。
でも本当に心から想ってたのは
『好き』
ただそれだけ。
浅井さんが好き。
大好き。
ただそれだけだったの…
それが…
こんなに悲しいなんて…
好きでいる事がこんなにつらいなんて…
溢れる涙にみのりは目を閉じた。
…ダメ
やっぱり浅井さんしか見えない。
浅井さんのことしか考えられない。
どうしたらいいの…?
諦めるなんてできない。
忘れるなんてできない。
こんなに好きなのに…
もう
届かない…
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