ずっと大好き…この恋は秘密 …


店内に流れる音楽でクリスマスが近いと気づかされる。


クラシック調にアレンジされたクリスマスソング。


いつもなら踊る胸が

今年はやけに静かだった。


静かどころか

何に対しても反応しなくなった心が
なんだか寂しくむなしかった。










イベント…大好きなのにな。


クリスマス…


できれば一緒に過ごしたかったのに…



涙が浮かびそうになって目を閉じた。





…いい加減枯れてくれればいいのに。




目尻に涙がにじむのを感じながら深呼吸して気持ちを落ち着かせる。



…里奈にはまだ話してない。

何かあったと気づいてはいるみたいだったが
涙を拭き笑顔を見せたみのりに何も聞かなかった。




…気使わせちゃったかな。




小さくため息をついていると近づいてくる圭司の姿が目に映った。


「よぅ」


軽く挨拶してくる圭司を無視してみのりは従業員通路に入った。


その後を圭司が追ってくる。


「無視すんなよ。

金曜日あれからどうなった?」






…どうなったって






無神経な圭司に腹が立ちみのりが圭司を睨みつける。






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