ずっと大好き…この恋は秘密 …


電話を切ってからも浅井の声の余韻に浸って

みのりはベッドに横になったままケータイを握りしめていた。



手にあたる雪だるまがひんやりと冷たい。


仰向けになり、揺れる雪だるまをじっと見つめる。


たまに光る青いボタンがきらきらしている。





『好きって言って』なんて…


今更ながら自分の言った大胆な言葉に恥ずかしくなる。


なんであんな事言っちゃったんだろ…


普段なら絶対言わないのに…




恥ずかしさに耐えられなくなり
みのりがうつぶせになって枕に顔をうずめる。





でも…


『みのりの顔見ながらじゃないと言えないだろ』


なんて…


浅井さんかっこよすぎるよ…



また好きになっちゃったよ…



浅井さんを見るたび


触れるたび


話すたび



どんどん好きになっちゃうよ。




『明日言いに行くよ』なんて…

うれしすぎるっ



って…

あれ…?!


明日…バイトじゃん…


…もぉ〜っ!






自分で忘れておきながら
勝手にガッカリする。






休んじゃおうか…

や、でもダメ!


お金もらってるんだし…

迷惑かけたくない。





店長の笑顔が浮かび、
サボるなんて事を考えた頭をぶんぶん振る。


大きなため息をついた後浅井にメールをうった。





to.浅井さん
sub.ごめんなさい
――――――――――
明日バイトでした…

明後日でも大丈夫ですか?

――――――――――



はぁ…



忘れていた自分に再び大きなため息をついた。





なんでよりによって…


せっかく『会いに行くよ』なんて言ってくれたのに…



あたしのバカ。



微笑む雪だるまが

あきているように見えて…


指ではじいた。




.
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