ずっと大好き…この恋は秘密 …


タバコを手にとってパッケージを見つめる。



…こんなのがおいしいのかな。


何味なんだろ…



そういえばクラスの子が
タバコ吸った後の彼氏とキスすると苦いって言ってた…



浅井さんの…キスは…


苦かった事なんてない…



浅井さんが言うようにあまり吸わないから…?



いつの間にかキスの事を考えていた事に気づき

恥ずかしくなってタバコをテーブルに戻そうとした時…


後ろから声をかけられた。



「…なにしてんの?」


突然の浅井の声に驚き
みのりが振り向くと

スウェットに着替えた浅井が立っていた。


髪からは水滴が落ちている。


「…ちゃんと髪乾かさないと風邪引いちゃいますよ」


「だってみのり酔って寝ちゃうから心配でさ…

つぅかまた敬語(笑)」


苦笑する浅井にみのりも少し笑う。


「…あたし酔って?」


「そうだよ。

一杯飲み終わったと思ったらコテンと寝ちゃってさ(笑)

酒弱いんだな…ってまだ高校生だしな」


髪を濡らしたままの浅井がなんだか色っぽくて…

じっと見つめているみのりに気づいて浅井が笑う。


「何見つめてんだよ(笑)」



ニヤニヤしながら言う浅井に

みのりが顔を赤くして俯いた。





…浅井さん

絶対エッチな事考えてる…


顔で…

声でわかるもん。


それとも

…あたしが期待してるからそう聞こえるだけ?




どんどん恥ずかしくなって耳まで赤くなってるのが自分でもわかった。




二人きりの寝室に



遠くから電車の音が聞こえる。






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