ずっと大好き…この恋は秘密 …



PULL…


3回目の呼び出し音の途中で

プツっと繋がった音がした。



『はい、自動車教習所です』


それは…

聞きなれた受付のおばさんの声だった。



「あ、あのっ…

浅井さんいますか?」



みのりが震える声で必死で話す。


『浅井は3人いますが…』


予想していなかったおばさんの言葉に

みのりは言葉を詰まらせた。


「えっと…あの、

若い…遼なんとかっていう…」


みのりのよくわからない説明をおばさんが汲み取ってくれた。



『少々お待ちください』


ケータイの向こうから
メロディーが聞こえてきた。






倒れそうなほどの緊張に


みのりは祐を振り返ったが
祐の姿はなかった。








…祐ちゃん


気をきかせて外でてくれてたんだ…




祐の優しさに心の中でお礼を言いながら

胸をなで下ろす。



手で触っただけで
心臓の位置がわかるほどに暴れている心臓に


みのりはしゃがみこんだ。








待っていてもなかなか途切れないメロディーに

みのりが少しだけ冷静さを取り戻す。






…浅井さん


寝てるのかも…





最後に話した時の事が頭に浮かぶ。






…あの2階の畳の部屋で寝てるのかもしれない。






そう思った時だった。





流れていたメロディーが途切れた。




『はい、浅井ですが』





ケータイの向こうに聞こえたのは…







間違いなく



浅井の声だった―――…







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