ずっと大好き…この恋は秘密 …


『今日はあの後ちゃんと帰った?』


浅井の言葉に
みのりの頭に視聴覚室での出来事が思い出される。


「…うん」


急に恥ずかしくなり片手で頬を覆った。


『…思い出しちゃった?(笑)』


意地悪く言う浅井に
みのりが頬を膨らませて平然を装う。


「別に」


『みのり土曜日あいてる?

今週はオレ土日休みなんだ。


…うちくる?』


「あ…えっと…」



『あたしのもの』

まだ沙紀の言葉がみのりの頭に引っかかっていて…


みのりをうなづかせない。


『…別に出掛けてもいいけど?』


「出掛けたいっ!」


あまりに勢いよく答えたみのりに浅井が笑う。


『どこ行こっか…

遊園地とか?』


「え…でも週末確か雨…」


夜のニュースで週末に雨マークが並んでたことを思い出した。


天気予報士が訳のわからない気圧の説明をしながら残念がっていた。


『大丈夫だろ…

オレ晴れ男だし(笑)』




……



少し不安を残しながらも
浅井の言葉に笑顔でうなづいた。



水族館に遊園地。


普通のカップルみたいでうれしかった。


理想のデートベスト5にいつでもランクインしてきそうな場所…



浅井さんと行けるなんて思ってなかった場所…



嬉しさと不安が

天秤にかけられたように左右に揺れる。



ぐらぐらと揺れる感情は…


どっちが本心なのか迷うほど揺れ動いていた。









不安に傾いたら…





もう戻れない気がした…







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