ずっと大好き…この恋は秘密 …



教習所の喫煙室で

浅井はタバコの煙をため息で吐き出した。



数日前のメールを思い出す。






…オレから終わりにする。


そう思ったのに…




佐倉が…

返事を待ってると思うと…



止められなかった…







あの時、見えたみのりの笑顔が

再び頭に浮かぶ。







…何やってんだよ。






浅井は天井を仰ぎ、

もう一度ため息と一緒に白い煙を吐き出した。




「女か?(笑)」


その様子を見ていた同僚の渡辺が浅井をからかう。


渡辺は40代で浅井とは10歳以上違ったが

全く枠にハマっていない渡辺を浅井も悪く思っていなかった。



バツイチで月に一度子供に会えるのを楽しみにしている。



「女って…

オレ結婚してますけど(笑)」



浅井は苦笑いを浮かべながら
タバコの灰を灰皿に落とす。



「結婚っつっても
奥さんまだ帰んないんだろ?

全く勝手もいいとこだよなぁ…


連絡もとれねぇのか?」


「…さぁ。

オレもしてないんで…


まぁ元気にしてればそれでいいっすよ」



浅井は少し笑ってタバコの火を消した。



「…おまえも苦労が耐えねぇな。

事情は分かるけど…


そろそろ時効だろ」



浅井は振り向かずに
渡辺に返事をした。



「…次教習入ってるんで。

…お先です」



そう言ってドアを閉めた。



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