ずっと大好き…この恋は秘密 …

言えない『サヨナラ』



校舎から出ると
雨は降っていなかったが
想像通りの風がみのりの髪とスカートを揺らしていた。






…本当に迎えに来てるのかな



来ていないなら…

それでいい…



そしたらまた


電話を待つだけ…



電話があったら

文句一つ言わずに軽く話すんだ…


『あたしも忘れてました』って…




…面倒くさいって

思われたくないもん。










学校裏にある公園は歩いてもすぐ着く距離で…



みのりはわざとゆっくり歩いた。







浅井さん

知ってるよね?


会える前が一番わくわくするんだよ。



どんな顔して会おうかとか

最初の言葉は何を言おうかとか…


浅井さんが…


どんな顔してるかとか…




これが…


最初で最後だと思うから…




いっぱい想像するんだ…




浅井さんの笑顔しか浮かばないけど…








でもきっと…


今日の話は笑ってはできない話…











浅井さん…


浅井さんに会うのが


恐いよ…





『サヨナラ』を言われるのが



恐いよ…







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