ずっと大好き…この恋は秘密 …


「久しぶりだな」


最初に口を開いたのは浅井だった。


変わっていない浅井の笑顔に

みのりは少しほっとする。


張りつめていた糸が少しだけ緩む。



「久しぶりで…」



みのりが返事をしようとした瞬間

突風が吹き…


公園の木を揺らし
たくさんの葉っぱが舞い上がった。


そしてその葉っぱが…

みのりと浅井の頭上から降り注ぐ。



まだ紅葉もしていない
元気な緑色の葉っぱは
肌にチクチクして…


「いってぇ…」


制服を叩いていたみのりが
浅井の声に顔を上げた。



目の前の

髪と肩に数枚の葉っぱを乗せた浅井を見て…



みのりが我慢できずに笑い出した。


「浅…浅井さんっ

頭に葉っぱが…(笑)」



クスクスと浅井を指差して笑うみのりに

浅井も笑ってみのりを指差す。


「おまえだって髪ぐちゃぐちゃになってるし(笑)

…つぅか、何だよ今の(笑)」



しばらく

お互いの姿を見つめ合っては笑った。


葉っぱの痛さなんて忘れて…

髪がぐちゃぐちゃなのも忘れて…


笑った。


浅井が笑ってる事がうれしくて…






その目からは

少し


涙がにじんでいた。







浅井さん




大好きだよ…





多分ずっと好き…






でももう言わない。


困らせないよ。



『サヨナラ』を言われたって

絶対泣かない…




笑って

『じゃあ元気で』ってお別れする。





浅井さんが

好きだから…





みのりは涙をこらえて

笑った。






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