王国ファンタジア【ララミーの民】



マーガレットとフェニックスはララミー一の戦士の座を争った仲だった。

だが、フェニックスの方が大柄で力があり、スピードでまさっていたマーガレットは僅差で負けてしまった。

マーガレットはきっと名前のせいよって周囲にいって嘆いた。

ララミーの民には鳥の名前が多い。

大空を鳥のようにかけまわれるようにと願いをこめてつけるのだ。

数年後、マーガレットがフェニックスからの求婚を承諾した時は、村の者は驚いた。

そのまた十年後に、女の子を産み、名前を父親と同じフェニックスにした時には、村の者はもっと驚くことになった。

マーガレットが絶対に父親と同じ名前にしたいと言い張ったのである。


「この子を民一の戦士のするのよ。まずは名前からね」

フェニが3才になるかならないかの頃から剣術の特訓を始める。

だが、フェニは妖術遊びに夢中だったのでなかなか上達しない。

父親のフェニックスは戦士でも妖術使いでもやりたい方になればいいって感じだった。

それもマーガレットには不満だった。



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