薔薇の王女
私は父の顔をあまり記憶になく、おそらくあまり顔を合わさなかったからだと思う

「あなたには何か人を惹き付けるものがあるわ、だから…もっと自分を好きになりなさい。自信を持ちなさい」

そう言って私を抱きしめてくれた



暖かい…


人の暖かさを感じるのはもう何年ぶりだろう…


私はまた涙が止まらずぽろぽろと泣き出してしまった



こんなにも人は暖かいのだと

こんなにも嬉しいものなんて


「あなたにはわたくしがついてます、だからそんなに辛いのを我慢しなくていいのですよ」
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