365回の軌跡
初めての恋
「本当に大丈夫?独り暮らしなんて大変なんだよ?それに仕事だって…」
「何を今更…。明日のことなんだから行くしかないでしょ!」
五年前のちょうどこの時期の私と母の会話だ。母は心配性で今頃は父の体と来年進路を決める弟の心配でいっぱいだろうな。
私はパソコンから目を離すと一つ大きな伸びをする。時計に目をやると午後9時半。明日も早いし今日はもう帰ろうと考えつき、パソコンのデータを保存する。
疲れてない…って言ったら嘘になるし、ストレスもかなり溜まってる様に感じる。それに…虚脱感。理由はもちろん自分でも分かっている。達也のせいだ。
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