僕の好きなヒト

乗り越える事


* *



「私ね、婚約したのよ。」


知ってるよ、とっくのとうに。


先生は、万年の笑みで左手を僕に見せてきた。




先生は意外に鈍感。

鋭そうに見えて鈍い。



そして僕の心にどんどんヒビを入れていく…


いつ割れてしまうか、怯えている事にも気付かない。



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