『縛』
それより、なんで
私の事が、わかったのだろう?

自分の中に、根本的な
疑問が浮かんで来る。


あの子供達に、知らないうちに
写メでも、とられてた?

まっさかねえ・・。


第一、名乗りもしてないのに。

何で、わかったんだろう。


思わぬ事が、きっかけとなり、
昼食を共にし、そこで、
大まかな筋を、聞かされた。

どうも、彼に渡した
頼まれモノに、社内報が
紛れ込んでしまったらしい。

そして、

たまたま、志央が、載っていた
私の写真に気付いて、
佐伯さん宅へいったのが、
発端となったそうだ。



すごい
偶然・・・

でも、なんか、

出来過ぎ



「ねえ、何で、私に
彼と従兄弟だって話したの?

今まで噂も聞かない位だった
から、ゆってなかったんでしょ?」

ポツっと湧いた疑問を
口にすると、佐伯さんは、
俯いて笑って答えた。

「はい。でも、鈴木さんなら、
誰にも言わないでいて
くれると思って。
それに、・・何となく、
知っておいてほしいと
思ったんです。」


その一言に、

彼女は、ずっと、
淋しかったんだなって・・・
何となく感じた。


こんな

広まれば面倒な事ですら
リスクになるだろうに

それでも尚、
誰かと話す、きっかけが
何でもいいから
ほしかったのかも
しれない。


それほど、
運命的な気分になる
偶然だったのだから。 



 
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