愛は要らない


「他に、僕と別れたい理由はある?」

「・・・・・・・・・・・・私より、貴方には楓さんが傍にいるべきだから」


涙をこらえて、笑いたい

けれど、涙をこらえるので精一杯

笑う余裕はない


「・・・・・・・・・そんなに別れたいと思っているなら、僕は何も言わないよ」


離婚届を奪って、遥は寝室を出ていく


「・・・僕が君に言った言葉は、嘘じゃなかったよ。誓って、本心だったッ」


遥が出ていってすぐに、綾野の腹部に激痛がはしる


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