愛は要らない
電話を切って、遥はため息をつく
「専務、少し・・・よろしいでしょうか?」
「有沢くん?どうかした?」
真剣な顔で、結子が遥の前に立つ
「今夜、倉木先輩と会うんですね」
「・・・あぁ」
何か、楓に違和感を覚えた
確たる証拠があるわけではないが、今は自分の気持ちに従ってみよう
「その前に、お話しておくべきことが、あるんです」
「話?」
「倉木先輩は、一度奥様と、個人的にお会いしているんです」