愛は要らない
遥の問いに、文子は優しく微笑む
「あの子、指輪を持ってるのよ。離婚するなら要らないでしょう、と言っても、あの子は捨てようとするだけで、捨てないの」
「・・・・・・・・・・・・」
遥は、自分の指輪を見てみた
そこにいつもあるのが当たり前で、外そうともしなかった
新品で綺麗だった指輪は、いつの間にか、少しだけ汚れていた
「綾野は、戻って来て、くれる・・・?」
そんな気が、してしまった
「どうでしょうね・・・」